声が聞こえたほうを見るとそこには、俺の親友である光輝(中山 光輝)がニヤニヤしながらこっちを見ていた。

「違う、これは菜々がくっついてきているだけで俺は何も」

俺は光輝に誤解されてると思い否定した。

「それにしちゃあ顔が真っ赤になってるけどな」

光輝はニヤニヤしながらからかってきた。

「赤くなんかなってない」

俺は自分の顔が赤くなってるのに気付きながらも強がった。

「本当だ~、お兄ちゃん照れてる~」

菜々が俺の顔を見ながらからかってきた。

「だから照れてないって」

俺は菜々に顔を見られないように上を見上げながら反論した。

「こうゆう時は正直に言わないと女の子に嫌われちゃうよ」

光輝が俺の耳元でヒソヒソと呟いてきた。

「だから照れてないって、ただ恥ずかしいだけだよ」

俺は必死に説得していた。

(この時俺は気付いていなかった、一人の女子が教室から羨ましい視線で俺達を見ていることに。)

「もうそろそろチャイムが鳴るから教室に行こう」

俺は時計を確認して二人に勧めた。

「そうだな、そろそろ行くか」

光輝は答えた。

「やだ、お兄ちゃんといる」

菜々はくっついてきた。

「いい加減、お兄ちゃんから離れろ」

俺は呆れた顔をしながら俺から菜々を離した。

「お兄ちゃんのケチ~」

菜々は膨れっ面をしながらすねてしまった。

「家族なんだからいいだろう、まぁ今日は菜々の入学祝におやつ買ってやるからさ」

俺はしょうがねぇなぁと思いながら説得した。

「本当に~?」

菜々は疑っているのか僕の顔を覗き込みながら確認してきた。

「あぁ、本当だよ」

俺は笑顔で菜々に約束した。

「ありがとうお兄ちゃん」

菜々は急に明るくなり嬉しそうに跳び跳ねた。

「僕も~」