河原の側の道は人通りは少ない。


川だけが静かに流れている。


(今日も同じ繰り返し…か。)


俺はクラシックをガンガンにかけ、川を眺めながら歩いていた。




その時、




「危ないっ!!」
「……うわぁっ」



音楽しか聞こえないほどの大きさで流していたのに、はっきり少女の声が聞こえ……。


俺の体は河原の坂を転げ落ちた。




「痛てぇ…」


後頭部に激痛が走り、俺は頭をさすった。



(…、ヘッドフォンは……)


坂を落ちたせいか、ヘッドフォンは頭についていない。




「ねぇ、大丈夫だった?!」


俺に声をかけてきたのは同い年くらいの少女。



肌は白く、透き通るよう。


メイクはきつくないナチュラルなものだ。


制服は見覚えがある。



えーと、どこだっけ。




俺は珍しく、人間に興味を持った。


その少女はとても綺麗だったから。





「…ね、大丈夫なの?」

「あ、あぁ」


少女は心配そうに俺の顔を覗き込んでいる。



俺の返事はしどろもどろだ。