「…はぁぁ〜!緊張したよ」



話しかけてきた男子が、力無い笑顔を表す。



他の奴らも安心したような表情を見せた。





俺は…、
一人で生きてるんじゃないんだ。



人に支えられている。



きっと、誰かに求められている。




そんなふうに思えた。





『…人の話し声は歌…』




あぁ、そうか。



やっとわかったよ、華。




周りで話している奴ら…いや、友達の声を聞いていると。




まるで、クラシック音楽とシンクロして……。




歌っているみたいだ。






「お、楠田が笑った!」

「…悪いかよ」



自然な笑顔。



穏やかな心。



まるで…、心に華でも咲いたかのように。




あんたのお陰だ、華。





「なあ、一つ…頼みたいことがある」




ありがとう。