◇ 『え?!朝日姐さん、それは本当?』 あの猿と呼ばれていた男(青柳屋内で。もちろん本人は知らない)がお役人に連れて行かれたとか、どうとか。 成り上がり者だったようで、ある功績を認められ、大金と身分を獲得した猿は、自分の器を図り違いしたらしい。 昔、手が届かなかった遊廓に通うようになった。 どうせ買うなら花魁を。 …見事に猿は花魁を、朝日花魁に心を奪われたようだ。 身体を繋げても、心までは繋がらなかったのに。 *