「ふふふふふ」 「あや…」「壊れた…」 朝日姐さんと男が奇妙に笑うあや野姐さんをじっと見ていた。 朝日姐さんは初めて恐怖というものがこういうことだと知ったようだ。 笑い声と共に、どこかへ行ってしまったあや野姐さんは青柳屋の最上階、つまり花魁だけが許される部屋のさっし部分に足をかけ…。 「これが、ウチが最後に見たアイツの姿。雪が少し積もっていたとしても、ここから飛んだんだ。蝶でもないのに。」 『姐さん…』 朝日姐さんの見ているものは、いったい、なんなんだろう。 *