男が女を守ったおかげで、体に残る傷はみられない。 そう…体には…。 「どうして…」 あや野姐さんは信じられなかったのだ。自分ではなく、敵対している女を自分が好きでたまらない男が庇ったのだから。 「あや野…すまない。」 そんな言葉が聞きたいんじゃ… 「もう…俺は…お前を」 いやだ 「愛してなんか…ない。」 あや野姐さんの中で何かが崩れた。目の前にいる男に愛されたい。一緒にいたい。だから、今まで生きてこれたのに。 *