◇ この世界に入って、初めて【女の恐怖】を知ったのは、雪がしんしんと降るあの日。 女郎達がこの街から出られる方法は2つ。 1つは多額の金を店に渡して、水上げされること。 もう1つは…… 辺り一面白い世界に紅いそれがよく目立つ。 その対比は美しいものではあったが、決して直視できるものではなかった。 何故ならば、その紅の中心にいる人…だった肉の塊がいる。 それが私が最後に見た…あや野姐さんの姿だった。 *