TeFU TeFU ~蝶の媚薬~


『わっちは、幾松様のお側は相応しくございません。』


何度この言葉を聞いただろうか…


花魁の位について、三年の月日が経っている。
しかし、こうも何度も誠の誓いを求めてくる男は一人…いや、二人だ…



「え津…お前まさか…


まだあの男のことを……」



持っていた小さな杯の水面が揺れている。

そして手から畳に杯が落ちた。


早く拭かないと……そう思っていたが、体が酷く動揺し動かない…



(忘れたい事なのに…)




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