この部屋には私達2人だけ。 普通なら、新造や禿達を交えて遊びをし、寝床へ入る。 ご馳走が食べられると下の者達は喜び、それが出来るぐらいの金銭に余裕がある者しか高位の遊女を買うことができない。 しかし、この人はいつもそうしない。 呼ばれてからワザと遅くに行っても、同じ様な格好で外を眺めている。 (…不思議な人) 金銭面は全く問題がないはずだ。 なんせ、将軍家に代々仕える側近大名のお生まれだから。 *