「え津!え津! どこいったんだい!え津!」 「女将さん、どうかしたんですか?」 「あぁ、利つ…。え津の奴、また寝坊をしたんだよ…まったく… 姐さんより遅く起きるなんて」 禿は姐さんから着るもの、食べるもののお世話になっている。 その分、身の回りの事は自分でしなければならない。 それなのにえ津は未だに起こしてもらっている… 雷を落とすために女将さんは鬼の形相でえ津を探している。 *