あの男が何かを投げてきた。 それは竹の葉でくるまれた握り飯だった。 「オメーの母ちゃんからだ。これからうめぇ飯いっくらでも食えるんだ。最後ぐれえ、不味い貧乏飯でも食いな!」 「重さん… なに勝手な事してくれてんだい。 あの子はえ津だよ。紫苑じゃ…」 「わかってるよ! なあ、紫苑!これからオメーはココの子だ! だがな、その不味い貧乏飯を作った奴がいたこと、ソイツから貰った名前忘れんなよ!」 *