門番が大きな扉を開くと、村とは間逆の世界だった 夕方を少し過ぎたところだったから店先に並ぶ提灯が所々灯っている 『お祭りみたい』 貧しさからお祭りへ行ったことはないけれど、雰囲気なら知っている 綺麗な女性が道のど真ん中を練り歩いていた。その光景は不思議なもので皆が道をあけ、その様子を見入っていたのだ。 「あれが花魁だ。そして、花魁道中っていって…ある意味宣伝みたいなものだ。 今から行くとこはアイツがいる廓だ」 *