少しするとドアが開いた。 「どうぞ。」 「おじゃまします。」 だけど今日の私は部屋には入らない。 玄関で止まったままの私に、部屋に入ろうとしてた真弥が振り返った。 「どうした?」 「これ。」 そう言って昨日真弥を思って作った ビターチョコレートに苦いココアパウダーをかけた生チョコを渡す。 苦い苦い生チョコは、口に入れた瞬間溶けてなくなってしまう。 真弥との恋も苦くとろける恋だった。 嫌だけど、離れられないそんな恋。