なになに?
この急展開!?
頭がついていかないんだけど!
「てか、野上さんこれ覚えてる?」
そう言って1本のペンを見せてきた。
「うん、覚えてる。」
忘れるわけがない。
大学に入ってから数ヵ月が経ち、
私がもう誰にも話しかけられることがなくなった頃、
私の隣に座ってきたのが上坂君だった。
みんな私の隣はつまらないから滅多に、誰も座ろうとしなかった。
だけど、上坂君は戸惑うことなく座った。
しかも筆箱を丸々忘れてきた。
貸してと言われたから、しょうがないのでペンをあげた。
貸すんじゃなくて、あげたんだ。
前に人に物を貸した時に真弥に怒られたからだ。

