それは私の震えてる手を強く握ってくれた上坂君のおかげ。
「今どこ!?」
「えっと…今は…あっ!」
いつものように普通に答えてしまうところだった。
さっき追いかけて来なかったくせに今さら…。
どうせ真弥は私の行動範囲を知ってるからあえて追いかける必要がなかったのだろう。
「おいっ!どこだよ!?」
私が言葉を渋っていると
痺れを切らしたのか
口調が荒々しくなってきた。
なんて答えていいかわからない私は
隣で手を握ってくれている上坂君に目線で訴えかけた。
上坂君はニコッと笑った後、
私の手からケータイを抜き取り自分の耳に当てた。

