「ちょ、ちょっと!」
さすがに上坂君の行動には驚いた。
しかも真弥の目の前で。
後で起こることの恐怖が堪らなく怖かった。
この前の今までよりも我を失っていた真弥の顔がカムバックした。
「放してっ!!」
おもいっきり腕を振り切った。
上坂君はびっくりしたみたいだけど、また私の手を掴んで歩き出した。
真弥の前に来たとき堪らなくなって目をギュッと瞑った。
だけど特に何も起こらず、普通に素通り。
そのまま上坂君は私の手を引いて歩いて行く。
そして大学からだいぶ離れたところで止まると、
鞄からタオルを出して私に渡してきた。

