新月の夜

。ただ、彼女かわいいなぁ。」
「へ?」
「僕も狙っていたのに。付き合い始めた頃の不安定な時期はもう悠ちゃんは嫉妬してキレて彼女を苦しめて。あれが悠ちゃんなりの愛情表現だったんだよね。でも離せなくしたテクニックは悠ちゃんの魅力だね。勝てないや。」

記者らは3人に気付く。

「…逃げた方がいいのかもね?」
「おとなしくしていましょう。」
「叔父様の手伝いしなくていいの?」
「あ。」

和也はナオキの所へ向かおうとする。

「誰かいい人いませんかねぇ?」
「和也はいないのか?」
「いませんよ。ま、じっくりいきます。」
「和にぃ、父さんなんてほっといて行こ?」


3人はナオキの所へ、
和也は記者から何を聞かれても、

「弟の事ですから。」

とノーコメント。

「遅い。」

ナオキが義人に言う。

「ま、いいじゃん、ナオキ。」

片付け。

「こき使うと未亜に言うぞ。」
「じゃあ私はあさみに言ってサボりと言わせるぞ。」
「…わかったよ。」
「楽しいね、やっぱりこうして義人とちょけ合うの。」
「そうだな。幼なじみだからね。でもうちの嫁さんの妹の旦那じゃん。」
「義人は義人。今さらお義兄さんなんてくすぐったい。夜、家に来てよ。家族連れてさ。」
「…うるさいぞ。」
「説明責任がある。」
「うちより本家は?ナオキは長男だろ?」
「母には連絡しておいた。普通の日になかなか本家には行けないだろ。…それに昔の恨み。和也と悠が大きくなって、奈央がきっかけで二人が説得して、私も前から何度も訴えていたものをなんとか妥協してもらった。というか3人目の妊娠は父にとって彩人を思い出すきっかけだったし。気にはしてもらった。あさみが父の事で泣く事は無くなったし。あさみに笑顔が増えた。それはみかこさんやその子供達との再会と交流もあったけど、父もさすがに孫二人に言われたらまるくなざるを得ないんじゃない?孫だけは愛してくれたから。DNA鑑定という卑屈な方法をされたけど親子だとは証明されてるし。」
「みかこさん?」
「あさみが逃げた先の人だよ。あさみの心の支え。」
「どうやって再会したんだ?確かあさみちゃんが逃げたのは他県のはず。忙しくてなかなか行けないだろ?」
「悠だよ。子供同士で偶然出会った。計らいで再会した。