騒がれるわ。」
「…はい。」

麻友美は兄に連れられて車へ。

「どうか私のかわいい息子を頼むわ…。悠太は私が守る。」


車の中。麻友美は助手席に。

「後ろに乗らなくていいの?」
「うぅん、お兄ちゃんの隣がいい。」

咳込む。

「大丈夫か?」
「う…ん。」

信号。兄は麻友美を見つめて、

「ま〜ゆ。」

髪を撫でる。

「お兄ちゃん?」
「いつ見てもかわいいなぁ。」
「もう…やめて。妹じゃなかったら奪ってたね。」
「冗談…。」


悠太はまだ会社にいた。父は、

「あのコが…。」
「ほんとナオキさん鈍感だよ。悠を見てたらわかるよ。」
「……。」

兄は悠太に、あ〜あ、

「僕も彼女欲しかったのにな。」

ぎゅっ。

「…うるさい。」
「大丈夫、諦めてますから。彼女ほんとに悠ちゃん好きだから。」
「……。」

義人は笑う。父は、

「何だよ笑って。」「ナオキもあさみちゃんそっくりな悠を手放すなんて寂しくないの?」
「子はいつか離れる。離れない方が嫌だ。でも悠を抱きたいなぁ。」
「え?」

ぎゅう〜。

「やはり悠はかわいい。」

そんな父を見て、起きていた奈央はムスッとする。母は、

「奈央が不機嫌だよ。」
「え…。」

悠太は奈央を抱く。

「奈央、どうした?」

奈央は嬉しそう。

「ん?」

手をぱたぱた。

「奈央は悠が好きだからね。」

母は笑う。兄は、

「悠ちゃんを送って行くよ。」

母は、

「私も帰るわ。奈央が離れないし、それにいろいろと主婦は大変よ。」
「いいよ。少しのお別れだ。」
「はい。ねぇナオキさん?」
「ん?」

ちゅっ。

「これで寂しくないでしょ?」
「息子達の前でキスは刺激的だろ。」
「そう?だってナオキさんが浮気しないように。」
「浮気出来ないよ。そんなにあさみがかわいかったら。」

悠太は、

「二人の空気にならないで。…放っておくといつもこうだ。」

義人は。

「あれが夫婦の営みだから仕方ないよ。私なんてラブ×2すぎて9人だ。」
「…やりすぎ。」
「子供はかわいいよ。」

兄は母に、

「母さん早く行きましょう。」