。」
「お待ちしていました。」

兄が来る。

「……。」

きゃあきゃあ言う受付嬢。兄は、

「母を探しているのでしょう?案内します。」
「早くしろ!」
「急くのはやめましょう。仲良く手でも繋いで行きましょう。」
「ふざけるな!」
「昔はよく繋いでたのにねぇ、悠ちゃん。」
「…何年前の話だ!」
「まあまあ、きちんと案内しますから。」

兄はじゃれる。

「…うっとうしい。」


エレベーター。

「あれでも母さん心配してるんだよ。」
「…挑発してるとしか思えない。」
「悠ちゃんは母さんが悪い人に見える?」
「…見えないけどさ。唐突じゃないか?」
「それは昔から。そろそろ帽子外してよ。せっかくのかわいいカオが台無しだよ。」

外そうとする。

「やめろよ。」

あわあわ。

「ふふふ。」

兄は笑う。

「やっぱり悠ちゃんかわいい。」
「…からかうな。」


部屋。

「きっとこの中にいると思うよ。では、仕事が残っていますので。」
「……。」

部屋に入る悠太。

「母さん!?…何だよ。いないのか。麻友をどこにやったんだ?もしかして兄さんに騙された?」

(隠れてる二人)

「し〜。来たわ。」
「え…悠太君?」
「おとなしく見ましょう。」


悠太はベッドに眠っている麻友美を見つける。

「…麻友、寝てる。」

悠太は座る。

「す〜す〜。」

「よく眠ってる。」

悠太はくすくす笑い、麻友美の髪を撫でる。

「ん…。」

寝言。悠太はそっと麻友美にキスをする。

「んっ…。ゆ…悠?」
「よかった。」
「な…何?」
「母さんに何かされたか?」
「いえ、優しく接して頂いて…。」
「本当に?」
「何で嘘つかないといけないの?…う!?」

吐き気。

「麻友!!」

キス。しかも濃厚。

「んっ…ふっ…。」

(覗いてる二人)

「き…キス!?」

義人は言うと母は、

「あれが真実。」
「恋人…?」
「お腹の子供の父親は悠よ。だからさらったの。彼女のお腹には平川家の血を引いた子供がいるの。彼女には私みたいに逃げてはいけない。」
「…あのおとなしい子が妊娠させるなんて。」