「!?…ばか。」
「麻友のカラダが恋しい。」
「…あのねぇ。」
「やらしい声聞きたい。」
「…地方の時に何回抱かれてる?」
「地方は天国だ。個室。防音完備。抱ける!」
「……。」
「今度の土曜日地方へ行くよねぇ。何の日かわかるよねぇ?」
「…悠のバースデー。」
「プレゼント、カラダ欲しい。」
「…お兄ちゃんに言うよ。」

明らかに動揺。

「あの人だけはやめて!」
「…お兄ちゃんには弱いのね。」
「ふぅ…殴られたトラウマかな。妹を奪った。尊敬してる。」
「今はお兄ちゃんいないよ。」
「?」
「新入社員さんの家におよばれになったらしいの。」
「…新入社員!?」
「うん。お兄ちゃんより年上の人だって。」
「…兄さん仕組んだな。」
「へ?」
「この時期の新入社員っておじさんだろ。」
「おじさん?」
「高瀬義人。母さんのお姉さんの旦那であり、父さんの幼なじみ。特徴。49才で、9人の子供の父親。」
「……。」
「兄さんが教えにくいのはわかる。何故麻友のお兄さんなのだ。」
「…喋りやすいから?」

そこへ、

「悠ちゃん電話中だね。彼女だ。理由教えようか?伯父さんに教えるなんてできないよ。それに悠ちゃんの☆というよりしっかりとした頼れる先輩ですから。それに…。」

兄は悠太に、

「まだ諦めてないから。いつでも奪うよ。」

囁く。

「ば…ばかな事!?」
「どうしたの悠?」

兄は悠太の携帯を奪い、

「こんばんは麻友美さん。悠ちゃんに飽きたらいつでもいいですよ。」
「お…お兄さん!?」
「悠ちゃんは過激でしょ?私ならそこまでしませんよ。」

悠太は兄から電話を取り返し、

「麻友ごめん。兄さんが…、麻友、愛してる。オレが愛するのは麻友だけだ。」
「うん☆」
「またかける。兄さんに邪魔された。」
「はい。明日でも会えるでしょ?」
「そうだね。では、おやすみ。」
「おやすみなさい。」

切る。悠太は、

「兄さんのバカ…。」
「ふふふ。だめもとだ。運命の人とは違えど、今のキモチだよ。」
「……。」
「ライバルは多い方が彼としては燃える。」


次の日、仕事。

「ごめん、昨日は…。」

悠太は謝る。

「何で?そういえばお兄ちゃんが帰っ