新月の夜

あさみは、

「不思議でしょ?いると思ったら愛しくなる。守りたくなる。だからこそ伝えた時、不安になってあんな行動したの。そのせいでナオキさんを苦しめてしまった。」
「この子、義人に祝福される?怖い。」

あさみは、

「私に任せて。義人さん子供好きだし。それに否定するなら殴るわ。」
「…あさみ。お姉ちゃんだから。それに、もう一人怒る人いるわ。」
「…ナオキ。」


〓ナオキさんへ、仕事終わったら、お姉ちゃんの家に来て?和也も悠太もいるよ。お願い(>_<;=;>_<)〓


(あさみからだ…わかった。義人と未亜の家…か。って何でいるのだ?あさみがいるなら行かない訳にはいけない。…甘いなぁ。愛する妻の為だ。)

ナオキはメールを覗いている。

未亜の家。

「お姉ちゃん、おめでとう。」

あさみは未亜を抱きしめる。

「…少し心配かな?」
「へへ。お姉ちゃん、手伝うね。和也、悠太を見てるのよ。何かあったら言って?」
「は〜い☆」

和也は大人しく悠太を見ている。悠太は手を動かしたりかわいい。あさみは未亜の料理を手伝う。テキパキして無駄がない。


義人が帰って来る。

「ただいま。」
「お帰りなさい。」

未亜が迎える。キス。義人は、

「誰か来てるのか?」
「うん。あさみと子供達が来てる。」
「?」

義人は居間へ。

「こんばんは。ナオキは?」
「こんばんは。ナオキさんは仕事が終わり次第来るみたいです。」
「…まぁ、忙しい人だし。次期社長の役職が保証されてる。」
「……。」
「義人…あさみは仕事では…。」
「わかってる。旧姓で名乗り出ることはできない。ナオキは構わないけどいろいろ難しいのだよな。」
「…不安ですよ。話さない=ナオキさんが独身だと思われて、若い女性社員から誘う目で見られる。いつか行ってしまったらどうしよう…仕事している時は、少しでも見れた。産休に入ったら、ナオキさんは私の重圧から解かれて、別の人の所へ…なんて。」

未亜は、

「あさみ、はい。」
「…え?」

電話の子機。

「あさみ…そんな事考えていたのか?」
「…ナオキさん!?」
「話は全部聞いた。心配性だね。オレがあさみ以外の女性に興味なんてない。仕事終わった。すぐに行く。