新月の夜

んの姉さんだからだ。何て言う?親友のお嫁さんのお姉さんを寝取った男だ。裏切り者だよ。」
「…裏切りなんてない。言って欲しかった。義人がお兄さんになるのは、それならどんな男より嬉しい。オレらの子供も可愛がってくれる。虐げられる不安なんてない。信用してる。」
「ナオキの子供だ。かわいいに決まってる。おいで。」

手招き。和也は義人を見つめる。

にこっ。

寄っていく。義人は和也を抱っこ。

「本当、父親似の子供だね。」

ナオキが、

「和也のおじさんになるんだよ。」

和也は、

「おいたん?」

不思議そう。あさみは、

「そうだよ。甘えてあげて?お姉さん悲しがるよ。」
「うん☆」

笑う。未亜は、

「和也えらいぞ〜。」

くすぐる。和也は喜ぶ。


義人と未亜は婚約し、一緒に住み始める。あさみも、悠太が生まれ、産休中。そこへ、

「あさみ〜。来ちゃった☆」

未亜だ。

「お姉ちゃん。」

和也は未亜に抱き着く。

「だっこだっこ。」

未亜は和也を抱いて、

「甘えん坊ね。」
「だってママ、悠ちゃんばっかり抱くんだもん。」

未亜は、

「お兄ちゃんになったからねぇ。和也はママと悠太好き?」
「うん、大好き☆だからねママが悠ちゃん抱っこしてても寂しくないもん。」
「ならどうしてせがむの?」
「おねぇたん好きだもん。」

未亜はニコッと、

「かわいい。…性格まではナオキに似なくてよかったわ。」

呟く。和也は、

「何でパパに似たらだめなの?ぼくはいけないの?」

うるうる。

「お姉ちゃん!和也…ママは和也大好き。パパの分身。力ずくでも守りたかった子供。ほら、悠太なでなでしてあげて?」

和也は悠太を撫でる。悠太は喜ぶ。和也は癒される。

「悠ちゃん笑ってるよ。」
「悠太、和也の事大好きみたいね。」
「へへ。ぼく悠ちゃん守ってあげるね。」
「お姉ちゃん、言い過ぎ。」
「…ごめんなさい。泣くとは…。」
「お姉ちゃんはどう?」
「…あの時はありがとう。助けられた。」
「…違うよ。ナオキさんに助けられてばかり。」
「感謝してる。多岐が優しくてびっくりした。だってお兄ちゃんは先に説得したから。」

本多家に