新月の夜



未亜は、

「そんな前から…。」
「そうだよ。だから前の彼女にけじめをつけ、ずっと秘めていた。言いたくても言えない。文化祭、ナオキら5人でいた。すると、ナオキは告白された。それは恋しい女の妹。必死に妹を探して、意地になって抵抗するお姉さんの愛情に更に惹かれた。ナオキと妹ちゃんは付き合う。お姉さんは悩んでいた。それを見ていた。」
「……。」
「転機が訪れたのは、ナオキが妹ちゃんを妊娠させてから。知ってしまった未亜から、少しの記憶を頼りに電話がかかってきた。」


「あいつ、ナオキは何者?」
「へ?」
「あさみを妊娠させて、今になって…。それに、あさみの左手の高そうなハートのダイヤの指輪。普通の男じゃ買えそうにない。」
「…ナオキは本多さんにどう見えますか?」
「え?」
「ナオキは平社員の息子で普通に就職して、なってもせいぜい課長。そんなポストに見えますか?あのお坊ちゃんはそうじゃない。ナオキの会社はわかりますよね。」
「えぇ。〇〇でしょ?すごいよね。」
「普通に面接受けて、受かったとでも?」
「…違うの?」
「ナオキにはいずれ社長という役職が約束されている。わかりますか。社長令息。御曹司。長男。親の経営する会社。」
「…御曹司?」
「株もあって、土地もあるからナオキにもそれなりの収入があるはず。△△(ショッピングモール)と□□(ボーリング場)はナオキの所有する土地。」
「……。」
「気取ってないだけ。イヤミな奴になりたくないがモットー。本多さんに対抗できるような人じゃないですよ。」
「……。」
「いろいろ興味ある?今度会いません?」
「詳しく知りたい。」


そして会った。

「そろそろ妹ちゃんを…(略)…。一か八か脅した。押し倒して、ここで抱かれたいか、部屋で抱かれたいか問いました。リミット。だんだん手をかける。」
「まさか…。」
「抱いた。限界だった。好きなのを隠せなかった。傷付けてまで欲しかった。それからずっと関係は続いていた。」

あさみは思い出し、

「…あの鍵と和也を抱っこした時に見た、キスマーク…。」
「鍵?…あぁ、家の合鍵ね。見つかっていたのか。キスマークもつけた。それは疑うだろう。お察しも早いはずだ。」
「何故言わない!オレは言ってきたはずだ。」
「…ナオキのお嫁さ