新月の夜

い。」


パーティーは始まる。

「お互い年とったね。生まれてなかった子供もこうして大きくなって出会ってるなんて不思議。」

悠太の母は父に、

「いつの間に悠太と話してたの?」

父は、

「あの子たちの共通点は?お兄さん2人は抜いて。」
「…CM?」
「そう。息子の為に知恵を出してよかった。打ち合わせの時、話を聞いていたら重なった。とってもなついていたのは見てるからね。」

亜希の母は、

「CM?」

あさみは、

「…旦那、社長してるの。息子を驚かせる為に広告に起用したの。聞いた時は反発してたわ。何を企んでるって。」

父は、

「父親なりの不器用な愛情ですよ。あさみ、そんなにうるうるしてたら障るよ。」
「だって…あんなに大きくなって。」
「あさみ一人の体じゃないかも知れない。」
「え…。」

一同唖然。

「え…聞いてない!?」

悠太ら兄弟は言う。

「……。」

父は、

「来るはずのものが来ていない。デリケートなものだ。さっき気付いたから言っていなかった。お前だけには言えないだろ。和也が帰って来ないには。」
「…父さん、わかってるのか?」
「…男の子とは限らない。」
「軽いよ!」
「…信じるしかないだろう。悠太、あさみと同じ事言うな。運命だ。変えようとすれば傷つく人もいる。任せればいい。」
「…わからないよ。その年で!?」

悠太は部屋に走る。

「待って!」

麻友美は追う。父は行こうとするが母は、

「私が行くわ。あの子しっかりしてるから。私の異変に気付くような観察力すごいわ。」


入るよ。麻友美は悠太の部屋を開ける。

「……。」
「悠はどう思ってるの?突き放すのよくない。」
「…ちびっこは黙れ。」
「お父さん、それなりの覚悟あって言ってると思う。不安はあるかも知れないけど、お母さんを愛してるから。悠が喜んでくれなきゃお母さん悲しむよ。」
「…わかってる。わかってるけどさ。素直にできない。死ぬ運命かも知れないんだ。母さんだってそう若くない。負担は大きい。」
「悠は望まないの?兄弟。」
「…どうすればいいんだ!」

悠太は麻友美をベッドに押し倒す。キス。ちゅっちゅっ音が出るくらい濃厚なキス。

「何で私に