新月の夜

母への恩返しです。」


駅、亜希の両親がいる。悠太の兄は演技。

「はじめまして、今日は案内させていただきます。」

亜希は、

「彼は、ここの地理は確か。仕事での知り合った友人です。」

両親は、

「よろしくお願いします。」

とぺこり。

(…あれ?何でこんなにドキドキするの?)

母に違和感。しかしわからない。


悠太の兄は案内する。優しくて誠実。亜希の車はあるところで止まる。亜希は両親に、

「絢美はここのCMに出てるんだよ。」

母は、

「何か不思議。いろいろな発見ばかりだわ。ね、あなた。」

父は、

「そうだね。子供達が住んでいるというのに。私達の為に、少しの時間でも帰って来てくれる。そして、元気なカオを見せてくれる。私達にとって、子供の笑顔はどれだけ癒されるか。充実してるようで幸せだ。こんなに喜ばしいことはない。

悠太の兄は、

「この後の事を説明いたしましょう。」

亜希は、

「父さん、母さん。寄り道していい?あつきと絢美が待っている。」

母は、

「早く会いたいわ。何かあるの?」
「父さんと母さんが来てくれたお礼をしたいんだ。小さなパーティーだけど喜んでくれるかな?」
「あなた達といれるだけで嬉しいよ。」

亜希は悠太の兄に合図をする。兄は頷き、案内する。


悠太達の用意はほぼできた。

「あと3人と兄さん、もうすぐ来るよ。」

母は、

「大丈夫。準備はほぼ整ったわ。今日は張り切っちゃった。」

にこっ。

車の音。悠太は、

「来たかな。」

と言う。知ってる人(父、悠太、絢美、あつき、麻友美)はドキドキ。
そしてその時が来る。


車から下りる両親。

「ここは?」

亜希は、

「入ってのお楽しみ。」
「?」

悠太の兄は、

「こちらが入口です。普通の民家ですがどうぞ?」

母は、

「民家?」

兄は、

「私の家です。」

ガチャ!扉は開く。母は玄関へ、

「お帰りなさい、和也。お客さんは…!?」

母の動きは止まる。

「!?」

亜希の母も不思議そう。目をまじまじさせて、目をこする。

「あ…あさみ?」
「み…みか