「んでー?お前ら、嫌がる子を無理矢理連れ出してどうするつもりなん?」



「は?つーかお前誰だよ」



「質問返しすんなや、ボケ」


キッと男たちを睨む。



金髪だし、関西弁だし……


もしかしてヤクザさん!?



「俺がナンパの心得教えたってもええけど?」


余裕そうに言う。



構える男たちを見ながら彼は笑った。



「優ちゃん、ちょっと目瞑ってもらってもええかな?」


片目を瞑って両手を合わせる彼を見つめる。



こんな仕草する人って本当にいるんだぁ。


なんて感心しながら素直に目を瞑った。


すると、何かの音と人のうめき声が聞こえた。


驚いて目を開くと、男たちが全員倒れていた。


「わわっ……」



「優ちゃん、今日の事は内緒やで?」


あたしが驚いて固まっていると、彼はニッコリと笑った。