「笑顔だよ、え・が・お!」



「はぁ?」



「いつもツーンと冷たい態度とってる優に笑顔で攻められたら落ちるんじゃないかな」



「そ、そうかな」



「絶対そう!優が素直になる訓練にもなるしね」


訓練って…。


真奈の発言に呆れるが、それもそうだよなぁと思い直す。



「じゃあ…やってみる」



「何をやってみるん?」



「うわぁっ!」


真剣な顔でガッツポーズをしていたら、水城に話しかけられた。



「うわぁって、失礼なやっちゃなぁ」



「急に話しかけてくるあんたが悪い!」


「俺の所為かいな」


「当たり前でしょ!さっさと散れ!」



「はいはい。全く…わがままなお姫様やなぁ」


水城が女子の集団の中に戻るのを見て、真奈が冷たい目であたしを見る。




「優……やる気あんの?」



「ご、ごめん」


という事で、家に帰ってからは鏡の前でひたすら笑顔の練習をした。