手首をカッターで切ったくらいじゃ死ねないらしい。



手首の激痛で、残酷な現実に呼び戻された。



目を覚ますと、私は少年の部屋のベッドに寝かされていて

夜で室内が薄暗かった。



なまりのように重い半身を起こし

自分の服装を確認する。


気絶した時と同じ寝間着で、着衣にも下着にも乱れはなかった。



少年は彼氏とは違って、体目的じゃないらしい。


じゃあ何が目的なのか、考える間もなく

カッターで傷つけた自分の左手首に目を向けた。



寝ている間に治療されたらしく、左手首には真新しい包帯が巻かれていて


枕もとの棚には、消毒液とガーゼに包帯が置いてあった。



少年はどこにいるのか。



ようやく室内を見渡すと、室内のソファーに人影が見えた。



多分、少年の後ろ姿だと思うけど

声を掛けれずに、少年の影を眺める。





私み