低音で呟く少年の声。



私には怖いだけで、意味が分からなかった。




答えられずにいると


少年がソファーの肘掛けに腰を降ろす。



「今更気付いて、俺から逃げようとしたんだろ。」



少年の静かな問い掛け。


今更気づいた。って……?何に?



全く分からない

けど、私が制服を探してた時点で逃げようとした事はバレてる。




嘘でもいいから弁解しないといけないのに

私は喉が詰まったように、言葉が出せなかった。



そんな私の首に


少年が手を伸ばした。



眠っているお婆さんの前なのに

少年は今にも私の首を絞めようとしていた。



今私が騒げば、心臓の悪いお婆さんが驚かせる事になるのに



少年の眼は本気だった。




「………っ」




私は必死に、何かを伝えようとした。



すると

少年の手は私の首に触れる寸前で