……
「……。」
話声が聞こえる。
うっすら目を開くと、大型液晶テレビの画面越に、2人の人影が見えた。
「毎回、作って貰っちゃって悪いわねぇ…。」
ぼんやりする意識の中、年老いたお婆ちゃんの声を認識した。
「いえ、こちらこそ、入り浸りで申し訳ないので…。これ位しないと。」
今度は若い男の声。
私の脳はまだ半分眠っていて、今の状況を認識する事はおろか体すら動かせない状態にあった。
「前にも聞いたけれど、あなたをヘルパーとして雇わせて?あなたが居てくれると楽しいのよ。」
お婆ちゃんの提案に、若い男は料理の皿をテーブルに置きながら、迷った様子で顔を上げた。
「てすが……俺なんか男ですし、女性に頼んだ方のがいいんじゃ……」
「男手が有った方のが助かるわ。安全だもの。……駄目かしら