首筋をなぞる少年の指先に、ぐぐっと力が加わる。



私の首が、ゆっくりと、徐々に締め付けられてゆく。



やめて…



そう伝えようにも、潰れた声しか出ない。



両手は掴まれたままで動かせず

代わりに足をバタつかせていると浴衣の寝間着から太ももが出てしまった。



こんな状況だというのに着衣の乱れの方が気になった私は

少年が変な気を起こさないように足を閉じた。



彼氏には何度か首を締められた経験があり

窒息する事もなく、毎回脅し程度で解放されていた。



だから、今回もすぐに解放されるかも知れないと

危機感でいっぱいの心には、僅かな余裕があった。



でも、少年の腕の力は更に強まっていく一方で、私の予想をはるか裏切ってゆく



今までに体験した事も無いくらいに締め付けられ

気道が塞がりうめく声すら出なくなっていく。



余裕を失い、身なりなんか気してられない状況に陥ってしまった私は

苦しみの余り、本能的に体を暴れさせた。




…助け…て…



心の中に溢れる程に叫び、涙目で懇願するが、苦しみと共に私の意識が遠退いていく。



限界が近付いてきて、焦った。


きっと、この少年から逃げて帰れたとしても

彼氏に首を締められて、殺される運命にあったのかも知れない。



限界なのか、私は自分の運命を冷静に悟った。



全身の力が入らなくなり

私の頭の中が、真っ白になった。