見つかった…。



絶望の表情で振り返った私は、閉ざされた扉の前に佇む少年の姿に気が付いた。



まだ髪が濡れたままの状態で、制服のワイシャツとズボンを履いていた。



真っ黒く長めの前髪からのぞく眼は、確実に私を睨み付け

無言のままこちらへ向かって来る。



一切外れないこの視線が彼氏の視線と重なってしまい、怖くてベッドから降りると、とっさに壁際へと移動する。



彼氏を怒らせてしまった時のように、本能的にべッドから距離を置こうとしたが

逃げる事を許さず、先回りする少年に捕まってしまった。



私の手首を力強く掴むと、抵抗する私の力なんかものともせずに、軽々しく引き寄せる。



少年は空手か何かの経験者なのか

少年に足を引っ掛けられた瞬間、私の体はベッドへと仰向けに倒された。


押し倒された私の上には少年が乗っていて、私の両手は少年の右手に束縛されていて

既に身動きがとれなくなっていた。



結局少年は、彼氏が私にする事と同じ事をしたいのか…それが目的で私を拉致したのか…



「逃がさないって言ったろ?」



少年は私の眼を射抜く視線を向けたまま、低い声で告げると