Escape ~殺人犯と私~

てても、せめて荷物を取り返してから逃げたい。



生徒手帳で住所もバレてるし、カバンの財布の中には家の鍵だって入ってる。



焦りを抑えて脱衣場を振り返り

少年が浴室から出てない事を確認しながら薄暗い室内を移動する。



テレビとベッドしかない室内で、物を隠せる場所といえばクロゼットしか無かった。



希望は薄いけど、一応クロゼットを開いて中を確認してみる。



服が1着も掛かっていないがらんとしたクロゼットの中には、私のカバン1つだけが入っていた。



すぐ様取り出して、チャックを開いて確認してみるも、肝心な鍵入りの財布が無くなっていた…。



ことごとく期待を裏切られながら、泣きそうになりながら辺りを見渡す私の目に

ベッドの上に放置してある少年のカバンが留まった。