Escape ~殺人犯と私~

ノブに手をかけて、部屋の扉を開いた。



遮光カーテンが寝室の窓を覆っていて薄暗い室内は

ベッドとソファーとテレビだけという、広い割に殺風景な寝室だった。



寝室の奥にある衣装掛けハンガーに、私のコートとブレザーが掛かっているのを発見した。



私は脱衣場を振り返りながら、足早にハンガーへと歩み寄ると、コートのポケットを探る。



渋谷駅で彼氏に見付かった時に、電源を切った携帯を、私は確かにポケットにしまった。



私の携帯を探す手つきは荒くなり、徐々に表情が曇り始めた。


確かに入れたはずの携帯が、無くなっていた。



ブレザーのポケットを探ると、生徒手帳も無くなっている事に気がついた。



そう簡単に見付かる訳がなかった。



ナイフを突き付けられて奪われたものが、こんなあからさまに有る訳がない。



そうと分かっ