ーに染みていく。




爪先の感覚を奪う。



早く暖まりたい。



でも、こんな男とホテルに行くのはウンザリだった。




帰りたい……。



離れていく彼氏の背中を見ながら

逃げてしまおうと企むけど



もし、ここで逃げたら私は……




想像しただけで、心が闇の中に沈んでいく。




彼氏から少し遅れをとってしまった私は



彼氏の見飽きた背中を小走りで追い掛けた。




朝から雪が降っていた。



温暖化の影響から、2月になってようやくの初雪が観測されていた。



尚も降り積もる雪に



綺麗だなぁ。



なんて、見とれる姿は憧れだった。




一緒に居るのがこんな彼氏で


爪先は凍傷になりそうで


何しろ、寒すぎる。



まるで、地獄だと思える程に寒い。



そのせいで


渋谷の人通りは、珍しく少ない。




私は、スクランブル交差点を渡る途中


私くらいの若い少女と肩がぶ