Escape ~殺人犯と私~

ドカッドカッ。



聞こえてきた殴っては蹴るような音に、私は怖くて個室を怖くて覗く事が出来ずに佇み


私はその場から微塵も動く事が出来なかった。



次の瞬間。



個室から駆け出してきた人物に袖を引っぱられて、硬直していた私の足が強制的に動かされた。



次々と起こる出来事にパニック状態だったため、その人物をハッキリと見る事が出来なかった。



トイレから連れ出されて渋谷の街を走っている今も、雪のせいで人物の背中すらもよく見えない。


私は息を切らしながら、引かれるがままにしばらくついて行くと

パニック状態だった私の思考が徐々に正常に戻ってきた。


私を連れたまま2個目のスクランブル交差点に差し掛かり

それでも足を止める事無く、車を無視しながら赤信号渡っていく。



突然飛び出してきた私達に、クラクションすら鳴らせない程にビックリしている運転手の表情が

私の脳裏にクッキリと焼き付いた。