溺れた愛のシルシ






「り、りっくん...」


修学旅行の時以来話してなかったから、声が裏返る。


「那奈。ごめん。」

「え…?なんで謝るの…?」


あたしは思わず、寝転がっていた状態から起き上がった。



「俺、なんか…。あんときお前らが同じ布団にくるまってたのみて…。わけわかんなくなって...。」


「あのときは本当にごめんなさい!」



あたしは電話にもかかわらず頭を下げた。



「那奈が謝ることじゃねぇよ。俺が勝手に…。」


「なに…?」


「俺が勝手に嫉妬しただけだから。」