「無理だってぇ・・・。」


「大丈夫だから。」



修学旅行でスキーをしにきました。




でもスキーなんて初だし...。

「出来るわけないじゃ~ん...。」


あたし、飴野那奈は

とてもとても
とてもとても
とてもとても



いま怖いです。



そしてあたしの肩を支えてくれているのは、あたしの彼氏。


「りっくん...。無理だよ......」

逢沢陸。通称りっくん。


片想いのりっくんに高1の時、告白した。
すっごいかっこよくて、スポーツもできて頭もいい。


そんな彼の魅力に飲み込まれてしまった。


もちろん容姿端麗ということで
登校時は女子がたかって大変です。


でもりっくんはあたしを大事にしてくれる。


女子の目線は怖いけど・・・。



「つかまって。」

「でも・・・」

「降りたいんだろ?」


あたしがコクリとうなずくと、
りっくんは顔を赤らめてあたしの両腕を

自分の腰に巻きつけるようにした。



トクン―――――――――


やだ・・。心臓の音聞こえちゃうじゃん・・。