溺れた愛のシルシ





その声を聞いたりっくんは、翔くんに体を向けて、

「那奈は俺のもんだ。もう手出すな。」


「だから別に手なんて出してないっていっただろ?ただ俺が那奈ちゃんのこと好きなだけ。」



へ…?



なに?あたしのことが好き…?



「翔くん…?」

あたしがそうつぶやくと、翔くんは頬を赤らめて目を泳がせた。


「そうゆうことなら手加減はしねぇ。ただし、学校でいるときには俺たちに一切喋りかけんな。」


「りっくん…それはいくらなんでも…。」

ひどすぎるんじゃない?


といいかけたとき、
りっくんは見たことないほど冷たい目つきであたしを見下ろした。


「早く行こう。」