溺れた愛のシルシ










「…っ。寒い~…。」


あたしは素肌に冷たい風を感じて、体をゆっくりと起こした。


「あれ…?あたし……。」

どこにいるの?なんて、すっとぼける前に気づいてしまった。



あたしは雪山に遭難したこと。
翔くんという救世主に助け出されたこと。
そして……。




なぜか翔くんに抱きしめられてしまったこと。


あぁ~、りっくんごめんなしゃい…。




てゆうか…。翔くんどこ…?




「わぁっ!!!!!!」



「うわぁっっ!!」



あたしはなぜか同じ毛布にくるまっている翔くんを見て叫んでしまった。


それに起こされたかのように、翔くんもびっくりしたように叫んで、まだ眠たげな眼をこすった。






なんで…。

同じ毛布で隣に寝てるわけ……?!