どこまで走ったかわからない。


無我夢中で走った。



「杏!」


花梨に名前を呼ばれ、私は足を止めた。


「杏…」


「花梨ー。私もうだめだ…」


「もう、別れちゃうみたい。」


私は泣きながら、花梨に抱きついた。


花梨は私が泣きやむまでずっと背中をさすってくれた。