先生と王子様と演劇部な私。

 階段を下りて、川辺の足場のいいところに着くと朗先生が止まった。


「そんなにギュっと掴んで……下りたくない?」


 へ? と自分の手を見ると朗先生のシャツの胸元をギュッと掴んでいることに気が付いた。

 ひゃあぁ! とパッと手を離した瞬間……。


「ちょっ!」

 珍しく先生が慌てて。



 ズドッ……。



 ――と、気が付くと私は……

「……あ」


 朗先生の上にいて、朗先生は私の下敷きになっていました。あちゃー……。


「……とりあえず……降りて」


 上半身を起こした先生が冷静に言う。

「あ、はい」

 すいませーん。