先生と王子様と演劇部な私。

 オロオロ下を見ていると、下りかけていた朗先生はすぐに戻ってきた。

「仕方ないなぁ……」

 そして私の横に来ると、よっ、と……



「きゃぁあああっ」


 ななな……!


 ま、また、お姫様抱っこなんですけど!!


「せ、先せ……!」

「近くで叫ぶな……黙れ」


 うっ……。朗先生にひと睨みされたので黙るしかなかった。


 先生はそのままヒョイヒョイと、階段を下りて行く。私は恥ずかしいやら、怖いやらで手にギューッと力を込めていた。