メイド服に騒ぐやつらの気持ちが、少しだけ分かった気がした。 "俺にだけ好意を寄せている"という、気になる。 しかし、それによって一層、支配欲に掻き立てられてしまう。 「似合ってますか?」 一言二言交わした後、柚子がくるり、と一回転してからそう聞いてきた。スカートの裾を少し持って、おどけた調子だ。 頬にかかる髪が愛らしい。 俺にだけへの笑顔に見える。 俺だけの……。 「あぁ」 俺は想像を打ち消すように、また目を逸らしてから返事をした。