「なに笑ってんだ、柚子」

 ……しまった、つい名前で呼んでしまった。


「なっ、何で名前知ってるの!?」

 案の定柚子もビックリしている。そりゃ驚くわな。


「お前……仮にも担任兼顧問だぞ」

 なんてどうにか誤魔化したが……もうこのまま名前で呼ぶことにしよう。


「で、何だ? 腹でも壊したか?」

 とりあえず何でもいいから話を続けると、「女の子の日」で、しかも夕飯を用意する親が不在ということだった。


 まったく、こういう日は栄養を取らないといけないのに。困ったやつだ。