「別に、放棄してるわけじゃないぞ。石川先生に任せてるだけだ」

「うわー、よっく言う! 赴任した途端から黙ってたじゃん」

 呆れたように言う私を、朗先生はジロリと睨んだ。怖いっての!



「俺は石川先生の教え子だからな、信頼してんだよ」

「えぇ?」


 まさかの関係に思わず大きな声を出してしまった。先生がちょっと迷惑そうに顔をしかめる。


「誰にも言うなよ、面倒だから」

 確かに、みんなが聞いたら騒ぎそう。朗先生の秘密を知ったみたいでちょっと嬉しくなってしまった。




 でも、……ってことは朗先生はこの学校の卒業生……?