先生と王子様と演劇部な私。

「まぁまぁ。落ち着いて」


 堀木戸さんがニッコリ微笑みながら言う。

 でも、今はそのアイドルスマイルにも騙されませんからね!!



「平……、何考えてんだ」


 王子様の姿をした朗先生が、前に出てくる。


 この言い方、やっぱりこの王子様、朗先生なんだ。さっきの舞っていた王子様とは別人のよう……。

 なんて思ってたことが伝わってしまったのか、朗先生がジロッと睨んできた。


「なんだその、珍しいものでも見るような目は」


「いや、だって……」


 十分、珍しいんですもん。


「と、とりあえず、私何がなんだか……」


 すがるように客席の堀木戸さんと由美ちゃんを交互に見ると、堀木戸さんが、悪戯を考えてるように楽しそうに口元を緩めた。


「説明してあげるね」