「な、なによ?」


「ふふふ」


ミチルがじらすので、腹が立ってきた。


「早く言いなさいよ」


「但し、イケメンに限る」


グサッときた。


「えっ?」


「そうなんでしょ? 結局のところは……」


その通り。だとしても、だからなによ?


「そうよ」


「へー、やっぱりそうなんだ」


ミチルはまた、黒板をノートに写す。


「なにか言いたそうね」


「ケン坊はどうするのよ?」

──ケン坊?


「ケンボウ症になったふりしてもだめよ」


「はっ!? くっだらない」


「そんなこと言ってたら、誰かにとられちゃうよ?」

「だって、ただの幼馴染みじゃない。カレシとか、そういうんじゃないのっ!」


「ふぅん。あっそ」


ミチルが横目であたしのことをみる。