「ちがうよ。ただ……」


「じゃ、なに?」


「家柄とか、イケメンだとか、先生だとか。ステータスばっかに囚われるなってこと」


なによ、偉そうに。


「なに言ってんの? もう、行くから」


「うん」


あたしは今度こそ、ケン坊を置いて歩き出す。


ポケットには、アヤシイ薬を忍ばせて……。