「創平のすきって、わかんない」



「わかんないって、」



「1年まえのあの日、なんであたしのこと追いかけてきたの」




核心に、ふれる。





「あたしは創平とはちがうよ」




心は、1年前に戻った。




「あたしは創平がすきだよ」





それだけ伝えて、あたしは教室から出た。


廊下をゆっくりと歩いてはいるけど、やっぱり創平は追いかけてこなくて。




あーあ。言ってしまった。




外はまだ雨が降っていて、校内はむしむしとする暑さだ。



おでこにじんわり汗をかいているのがわかって、



あぁ。帰ったらすぐにお風呂に入ろう。

今日は楽しみに取っておいた入浴剤を入れようかな。

それに、冷凍庫には誰のかわからないけど、高いアイスが入っていたはずだ。

それも勝手に食べてしまおう。

それに明日のご飯はあたしの好きな物だって言ってたな。

あぁ、楽しみ。

それにしても暑いなぁ。



さっきから、頬に流れる汗がぬぐってもぬぐっても流れてくる。



しきりに流れるそれを汗だといって強がって、傘を指さないで外へ飛び出た。